CROSS TALK 07
これから社会へ飛び出す皆さんへ
中島工業・採用チームは、学生の皆さんに世代も近いメンバーが多く、人生の先輩にあたるお二人にお聞きしたいことをぶつけてみました。
仕事・生き方に関すること、また昨今世間をにぎわしている「ワークライフバランス」「働き方改革」などについても、質問していきます。
TALK 07
CROSS TALK 07
これから社会へ飛び出す皆さんへ
中島工業・採用チームは、学生の皆さんに世代も近いメンバーが多く、人生の先輩にあたるお二人にお聞きしたいことをぶつけてみました。
仕事・生き方に関すること、また昨今世間をにぎわしている「ワークライフバランス」「働き方改革」などについても、質問していきます。
PEOPLE
不破 信勝
大阪電気通信大学就職部・次長。 大学就職部で学生の指導および企業対応など第一線で活躍。 就職部でのキャリアはトータル11年にわたる。
普天間 大介
大手経営コンサルティング会社、人材育成コンサルティング会社、企業再建を経て中島工業へ。 AIエンジニアリング代表取締役社長、経営大学院大学客員准教授。甲南大学非常勤講師。
TALK
不破
不破
失敗はね。頑張ったからするんです。実は、絶対に失敗しない唯一の方法があるんですよ。「何にもしないこと」です。でもそれでは意味がないです。失敗しているってことは、色々努力しているから、チャレンジしている結果なんです。
これは、学生や保護者の皆さんの前で言ってることですが、Googleでは、どれだけたくさん失敗をしたか、ということが評価の対象となる、ということです。失敗こそは価値だと。
私も就職部という所帯を預かっていますが、そこで、そういった考えをどう浸透させるかというのか考えながらやってます。楽しく仕事をするのか、窮屈に感じながら仕事をするのか、で違いますから。
それに、不思議なもので、失敗しないようにしようと思えば思うほど失敗の方向に向かっていきます。萎縮してしまうから。一番ポテンシャルを発揮できるのは、萎縮していない自分。
普天間
私もコンサル時代、壁にぶつかったときありました。萎縮して、もう何も出来なくなった。それで、プロジェクト外されて、研修に行かされて。外資系だったんで、これはクビだなって覚悟しました。それで、もういいや、辞めるんだったら最後は暴れようって、研修を自分で好きなように引き回したんですよ。ものすごい高い評価を得た(笑)萎縮したらダメなんだなと思いました。
自分なりに考え抜いて、ベストのものを出すのでいいと私は思ってます。それは、その人の能力によって当然、変わってくるものなので。中途半端にやって、中途半端にその場しのぎのことをやって、っていうのが一番失敗するんで。わからなかった、ごめんなさいで大抵すみますから。あとは責任を取るのは上の人間なんだから、と考えると、だんだん失敗も失敗と考えなくなる。どうでもよくなってくるから。
不破
そんな風にみえないかもしれませんが、私は実は仕事好きじゃないんです。宝くじが当たれば辞めたいし(笑)。ただ、仕事をするということは、お金をもらうということです。ちょっと責任感が強い方なので、お金もらう以上ちゃんと仕事せなあかん。で、ちゃんと仕事する上で、その仕事を出来るだけ早く終わらせようと一番いい方法を探そうとする。結果、早く終わって、早く帰る。なので常にどうやったら仕事を早く、的確に終わらせることが出来るかを考えています。
普天間
私はそこは違って、どんなにお金があってもたぶん仕事は辞めない。これは完全に考え方の違いです。いろんな考え方があっていいと思っていて、私はどちらかというと、何かをやって人に「あ、助かったわ」と言われる、これだけを報酬としているので。
不破
そこは一緒なんですよ。人からは求められたいですね。ただ、そこに労働と言う形を求めてない。「不破のおかげで助かった」とは言われたいです(笑)仕事とは限らず。
普天間
それは、仕事をやめても絶対何か活動しますね(笑)
不破
そうですね、草むしりとか町の清掃活動なんかをしてるかもしれませんね。「ああ、不破さんのおかげでいつもこの町きれいですわ」って言われるようなことはしたいですね。金のためにしばられて働くって言う意味で仕事はしたくない。
でも、ワークライフバランスの充実した、パーソナルタイムを持ちましょう、っていう反面、いやいやもっと働きたいですよねっていう人もいますよね。それの根底は、それこそお金にあるんじゃないかと思ってます。日本人は特に。「ライフバランス」ではなく、「ワークシェア」っていう考え方はあまりないですよね。自分だけ残業して稼ぐ、少しでも自分だけが稼ぐ、っていうところに気持ちが行っていると思う。
普天間
ワークライフバランスではなくて、ワークブライフブレンドって考え方があります。きっちり仕事と人生を分けるんではなくて、両者が相互に活性化しあうという考え方です。
昔、仕事とプライベートを分けようとしたことがあったんですが、無理だったんです。無理っていうのが考え方としてです。アメリカで実施されたワークライフバランスの実現は可能かっていう調査で、男女ともに9割程度が無理と回答した、と言うのがありました。いろんな施策をやってるけど、ほとんど効果がないっていうアンケート結果があるくらいで。仕事と私生活を完全にわけるのはいわゆるクリエイティブワーカーは、ほとんど不可能と言われてます。
でも日本の場合、理系大卒になると、ほとんどクリエイティブワーカーに近くなっている。そうなると仕事と私生活を完全に切り離すことは難しくて、私生活の中で仕事のアイデアが出てくることもあるだろうし、その反対ももちろんあります。だから、仕事も私生活も切り離すんじゃなくて、どちらも充実させればいいんじゃないって思いますね。
不破
それは思いますね。教育体制自体がそうなってると思います。小学校とかで、子どもの権利とか、子どもの自意識とか言って、そちらばっかりが独り歩きしてると思うんですけど、やっぱり基本っていうものがあって、個性が出てくると思うんですよね。個性だけの集まりは単なる烏合の衆になってしまうので、私はベースメントって必要だと思うんです。そこを度外視して、個性、個性って言ってしまっている。それは今世間で言われている働き方改革のところにも通じると思います。ベースメントっていうのがしっかり身についてから、働き方や生き方っていうのを考えないと、働き方や生き方先行で行ってしまうのはちょっとね。
普天間
私が大学の授業で、「ある領域の専門性を突き詰めたいなら時間が必要。もし、会社の残業ができないんだったら外でやってください。それを自分の意思でやれと。それを会社が残業させてくれないから、会社から出てけって言われるからできません、っていうならそれに甘んじてるんならそれで終わり」。って言っています。かなり誤解を生みやすいのですが、できない理由を人のせいにしている段階で自分の人生を他人任せにしている。自分がスキル上げたいんだったら、自分で意思を持って、時間を投資しなさいと。自分で選べと。会社にいられないから、残業させてくれないから、っていうその段階でもう依存心満載です。「でも、でも、だって」って。そういう人生歩みたかったらそっちを歩んでください、と。
不破
やっぱり、謙虚。例えばなんですけどね、会社に学生が訪問させていただいて、何でうち選んだの?ていうときに、「~が整ってるから」「~の技術がすごいから」と言う学生を本当に雇おうと思いますか?この学生は典型的な依存型ですよね。何かっていうと、自分たちが頑張ってつくりあげてきたものに、こいつタダ乗りしに来たんか?って思いませんか?
一緒にこれからも苦労していこう、っていうなら「おうおう、やろうやろう、こいこい、でもこんなしんどいこともあるんやで、面白いこともあるし」ってなると思う。でも、上っ面だけ見て、タダ乗りしようとするやつには、「お前ほんとにわかってんのか?俺ら本当に大変やってんぞ」って。なると思うんです。
普天間
人に頼ることは大切だけども、人から貰うことばかりを考えている人は助けようと思いませんね。助けようと思える人は、やっぱり努力していたり、もがいている人ですよ。よく、運も実力のうちっていうけど、結局アンテナ立ってるかどうかなんですよね。
不破
そうそう。「棚からぼた餅」は世の中にないと思ってます。「棚ぼた」は絶えずそれを落ちてくるのを狙ってる人のところにしか落ちてこないと思ってるんです。ずっとぼた餅を見てて「あの餅今の俺の手では届かへんけど、なんかどうかして落ちてこーへんかな。」と。落ちた瞬間にまたこれ、奪い合いですわ。一人の所に落ちてくるわけじゃない、事前に落ちて来たときのことを想定して準備・努力してた人が、最初にそれを取る。何の努力もしてないやつは、落ちたことすら気づかない。ひょっとしたら、落ちた餅に気づかずに踏んで歩いてるかもしれない。運は準備・努力した人のところにしかこないと思います。
普天間
だから運も実力のうちなんですよね。あとは、人間の感覚として、適当にやってる人間と、苦しみながらなんとかしようと頑張っている人間なら、苦しんでいる人を助けたくなりますよね。
全4回にわたる、特別対談は以上で終了です!お付き合いいただき、ありがとうございました。
仕事は楽しくやること、です。とにかく、職場は明るく楽しくです。楽しいところにしか、幸せはやってこないので。楽しい気持ちでやれるかっていうのは、どんだけ全力投球できるかっていうことです。そして偉そうなことをいうようですが、仕事ではどんな局面でも逃げないことも大切です。
うちの学長が私に下さった言葉で大事にしている言葉に「その問題は、その人に解決する能力があるから、そこにやってきている」というのがあります。
例えば、小学一年生の子に1,000万円の手形を決済することが出来ますか?。出来ませんよね。1,000万円の手形をどうやって決済しようかと悩む。それはその人に解決する能力や可能性があるからこそ、目の前に問題ががやってきているんです。だから、そこから逃げたらあかんのです。